これからのアイデア
今までのアイデアの考え方として、一人の独創的なアイデアで世界が変わることが多くありました。
レオナルド・ダビンチやエジソンなど、みなさんがよく知っている発明者は一人で数多くの偉大な発明を行いました。
これからも少なからず同様の天才が出現するとは思いますが、そのような歴代の天才を確保しなければ企業としては世界を驚かせるような発明はできないのでしょうか?
実はそうではなく、企業だからできること・集団だから天才に勝ることがまだまだ多くありとんでもない考えの出し方もたくさんあります。今回はそれを話していきたいと思います。
著名な方々が思う企業
まずは著名な方々が考えている企業といいますか、共生経済の集団の話です。(以下、企業とまとめます)
色々な意見があり代表として以下になります。
「企業とは、時間・手間・間違いなどの取引コストを最小にするために存在」・社会における知識の利用 ~by フリードリヒ・ハイエク~
「統率され協調された組織では分散した(人々の)知識に手を伸ばせない」・取引コストと人材の関係 ~by ビル・ジョイ~
「取引コストを優先すると、優秀な人材とは一緒に仕事できない」
難しくて意味がわからない。。。
簡単に言うと、
「企業の中では、人々(従業員)の考えをまとめられない。そればかりか、優秀な人は来ない。」
なんだか本末転倒な話、、、
でも「統率され協調」しなければいい。ということは”自己主張がある”ならば、みんなの知識に手を伸ばせるはず。
実際にアイデアを多く取り入れてる企業では、以下のように考えています。
自発性のない組織の中では集団的知性が発生しない。
なんでもできる人は組織に属さない
集団的知性
そもそも集団的知性とは?
どんな天才でも個人でできる内容には限界があります。
→多種多様な要求、必要情報・必要知識の増大などなど
さらに先ほど述べたように、天才はなかなかいないのも事実。
そこで、複数の人がより良いアイデアを出し合う、独創的なアイデアを生みだす必要があります。
・集団的知性
集団自体に知能が存在するかのように見える知性で、より高い知的能力を発揮するためのもの。
集団的知性を集団に持たせるには
2.それらの分散された知能の共有化、オープン化
が必要となります。とくにその中でも「分散された知能の共有化、オープン化」ということで、オープンイノベーションという言葉があります。
単独では作り出せないアイデアでも集団的知性を発生させれば容易に創出できる
オープンイノベーション
オープンイノベーションとは?
イノベーションとオープンイノベーションは違う言葉です。先ほども簡単に説明したように、「分散された知能の共有化、オープン化」を目的とし、イノベーションを起こすための方法の一つになります。
自社技術だけでなく他社が持つ技術やアイデアを革新的なビジネスモデル・研究開発成果につなげる方法です。簡単にいうと、企業にこだわらず他業種の人とのイノベーションにつなげる活動を行っていくことです。
とくに企業にこだわらない点ではコミュニティ(ある目的・興味に対する集団)として集団的知性をもつ例が多くなってきました。詳細はこれからの人材で説明しますが、有益なアイデアが求まったり社内の人材以上の才能が隠れている可能性もあります。
開発費・開発期間の低減、アイデアの創出(企業間での集団的知性)につながる。だが、コアな技術をとられないようにする必要がある
オープンイノベーションの例
オープンイノベーションはその名の通り、知識の共有化・オープン化を主としています。それも企業館だけでなく、個人の間でも同様です。
まず、企業間の1例として
・大自然体感型ミュージアムOrbiの例
話は少し古いですが、エンターテイメント会社の「セガ」とテレビ番組制作会社の「BBC EARTH」が共同で立ち上げたミュージアムです。セガのゲームで培った投影・体感技術とBBC EARTHの臨場感あふれる画像と音、匂いの収録で生き物と触れ合いを体験できるミュージアムです。実際に生物が一切居ないのですが各々の独自に培ったノウハウの連携により新規アイデア・事業の創出した例となります。
・ローカルモーターズの例
コミュニティを使用し、成功した例になります。ローカルモーターズはコミュニティでデザインを募集し、顧客が好きなデザインやパーツを選び、顧客自ら組み立てることもできる自動車を販売している会社です。他社の同様の自動車と比べると開発費は1/100とも1/200とも言われています。
クローズドイノベーション
クローズドイノベーションとは?
オープンイノベーションの対になると言葉で、企業内でのイノベーションにつなげる活動を外にださないことです。すなわち、自社内のみで集団的知性を発揮し研究開発および技術の蓄積を行う方法です。
自社の技術を独占するには有利。ただし、イノベーションのジレンマに陥らないようにする必要がある。
クローズドイノベーションの例
自社内のみで集団的知性を発揮させるということは、従業員の自発性を高める必要性があります。それには自発性を高めるための環境づくりが不可欠です。
・Googleの例
イノベーションのジレンマの回避策として「20%ルール」を取り入れていました。
社内で過ごす時間の20%を担当業務外の 自発的業務・アイデア創出のための時間に 当てることを義務づけていました。
(現在では今は所持しているアイデア具現化を優先しているためおこなっていない)
また、ほぼオープンイノベーションですが、1つの企業が出資・技術を有するという点で例を挙げます。
・博報堂の例
企業内での起業・新規事業のアイデアを募集。企業はそれを支援をし、実際に数十社が起業しています。
条件として失敗しても会社に戻れることや社内外の人問わず参加して仕事ができることなどです。そのため、企業内の人間だけでなく元々関連がない人も取り入れ力にしています。
自社と無関係なことでも市場が創出できそうなアイデアなら、それに対して投資する企業が増えてきたのも事実です。
最近の傾向
近年はオープンイノベーションが増えています。
やはり以下の内容が特に強く出ているためであると思われます。
・環境、規則対応などによる要求の複雑化
・顧客要望に対するノウハウがない
・今までにない新しいアイデアの創出
クローズドイノベーションでは、イモベーター企業が増えている(創造的模倣で自社技術を高める)
イモベーターとは「イノベーション」と「イミテーション」を融合する企業であり、模倣の特性を進化させて活かす能力が持っているとされています。
どういうことかというと、単なる模倣としてではなく模倣した製品の設計思想・システム把握までをおこなってさらに自社の技術と組み合わせて創造的模倣をします。
創造的模倣には下記の特徴が必要とされています。
・様々な分野の複数のモデルを組み合わせる能力
・製品と市場との対話(何が必要とされているか)を理解する能力
・目まぐるしく変わる環境に合わせながら、すばやく効果的に実行する能力
アイデアは今後もさらなる発展を遂げて現在では考えられないようなことがたくさん生まれていくと思います。